廃線跡探訪 番外編
(埼玉:鉄道博物館)
 2007年10月14日の鉄道記念日に,埼玉の大宮に鉄道博物館が,新たに開館しました。
 元々東京の神田にあった交通博物館が移転したもので,明治の鉄道創業時からの鉄道に関する車両や資料を展示している由緒ある博物館です。
 ここに旧京都市電の台車が展示してあります。

[2007年12月]
 この台車は,型式21-Eで米国のブリル社製と言われています。昭和の初め頃までは台車といえばほとんどがブリル社製のトラックでした。主電動機(モーター)はGE(ゼネラル・エレクトリック)社で,モーターケースの刻印を見るとGE800と読めます。京都市電の狭軌1型の緒元には,モーターの出力は25HP×2とありますが,この台車にはモーターは1個しかついていません。

 元々この台車は,北野車庫で終戦までコンプレッサーの台として使用されていた台車で,開業当時の台車の生き残りだそうです(参照)。
 狭軌1型は京都電気鉄道からの譲渡車両で散水車含めて136輌ありましたが,車軸のピッチを見ても明らかに狭軌1型のものよりは狭い為,ひょっとしたらこの136輌ではない車両のような気がします。


[2005年8月]
 左写真は,交通博物館展示時の写真です。
 現在は,この台車に関する説明書きが何もなく少し寂しい気がします。

[2005年8月]

 そのときは,一緒に使用していたトロリーポールも展示してあったのですが,鉄道博物館には展示してありませんでした。係員に聞くと,おそらくまだ倉庫に置いてあるとのこと。現存する日本最古の台車とトロリーポールなので,是非もっと脚光を浴びるような展示をお願いしたいところです。

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