廃線跡探訪 番外編
(竹田橋)
京都市内の真ん中を南へ流れる鴨川は,伏見辺りで西南方向に流れを変えます。
この鴨川に架かる橋は,竹田街道の勧進橋から,水鶏橋(くいなばし)と続き,近鉄京都線の鉄橋を超え,その次に「竹田橋」という橋があります(左写真)。
この写真は,最近竣工した京都南大橋から望んだ風景です。京都南大橋があまりに大きいので見劣りしますが,それができるまでは鴨川を渡る貴重な橋として重要な役割がありました。
一見,木造橋のように見える趣のある小さな橋ですが,実はこの橋の橋梁に京都市電のレールが使われています。
近くまで来てみました。なんとか自動車も通れる幅はあります。
そんな橋桁にレールを使っているなんてすごいですね。

ちなみに,橋を渡った対岸にある建物は,京都市営地下鉄の竹田車庫になります。 
問題の橋梁ですが,ごらんのように「溝付レール」なので,間違いなく市電のレールですね。
場所柄,伏見線のレールかな?と思われますが,現在のこの橋の竣工年を調べてみたら,1980年だったので,実は伏見線で使われたレールではないのかなぁ…しかも市電全廃から7年たっているので,京都市電のものでもないのかも?…とふと不安になったのですが…
レールの刻印を見てみると,
LORAIN STEEL CO MADE IN USA O 92 358 1930  IIIIII  OH KSD
とありました。
米国の製鋼会社「LORAIN STEEL(ローレンスチール)」社製であることが分かります。
ちなみに,最後の「KSD」とは「京都市電」の意味ですので,やはり京都市電で使われたレールであることに間違いはなさそうです。1930は1930年製造の意味と思われるので,伏見線で使われたものの可能性もありますね。

[平成21年3月]
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