廃線跡探訪 番外編 |
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鴨川を渡る四条大橋の一本南に団栗橋という橋があります(左写真)。 その昔,この橋の東側に大きな団栗(どんぐり)の木があったことから命名されたと言われています。今は全くその痕跡はありませんが… その川に線路のようなものが刺さっているとの情報を聞いたので,リサーチしてみました。 以下にその調査結果を記します。 [平成24年12月] |
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鴨川の川の中にあるということでしたが…ありました。 確かにレールが刺さっています(笑) 鴨川沿いということなので,もし線路だとすると,てっきり昔鴨川沿いを走っていた京阪電車の関連だろうと思っていましたが「溝付きレール」なので,市電の線路であることが分かります。 |
さて,一方で川の中ではなく,河岸を見るとこちらにも線路が埋まっていました。 これも市電の線路です。 |
ここまで来ると,他にもあるのでは?と思いまして,いろいろ調べてみると,川の中にもう一本… |
河岸にも,レールを合わせて2本…他にも数本埋まっています。 なるほど,だんだんわかってきました。 橋ですね。 おそらく,団栗橋は,現在のコンクリート橋に架け替えられる前は,廃レールで作られていたのではないでしょうか? 実は,廃レールが,橋梁として使われている事例として,同じ鴨川の下流に竹田橋があります。 この橋も廃レールであった可能性がありますね。 |
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ということは,きっと団栗橋西側にも何か形跡があるはず… と思って調べてみると,やはりありました。 鴨川西の川底に廃レールが2本合わさったものが埋まっていました。(まるで化石の発掘のようです…笑) 東側の廃レールの位置と比べてみても,ほぼ同じ間隔で並んで埋められていることが分かります。 つまり,ほぼ橋の橋梁として廃レールが使われていたと見て間違いなさそうです。 現在のコンクリート製の団栗橋は,昭和38年竣工です。 昭和10年の鴨川水害で,三条大橋や五条大橋をはじめ,この団栗橋なども流出しています。その後,架け替えらえた旧団栗橋(ひょっとしたら流出前も?)はおそらく廃レールだったと思われます。 ※こちらのサイトに当時の古写真があります。少し見難いのですが,この橋梁の細さからもレールであった可能性をうかがわせます。 なお,現存する全てのレールは全て切断されているので,レールの刻印を確認することができませんので,本当に市電の線路であったかどうかまでは分かりません。もし,ご存じの方がおられればご教示ください。 |
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