京都市電全車輛形式一覧

型式:狭軌1型
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京都駅前にて

言わずと知れた,京都市電最古の車輛。

大正7年,京都市電が京都電気鉄道と合併したときに,京都電気鉄道から譲渡された車輛である。

当時の京都市電には既に1型の形式があったので,京電のそれと識別するために,狭軌1型と呼んでいるが,京電の車輛を狭軌(Narrow)の頭文字を取って,いつしか「N電」と呼ぶようになった。

製造初年は明確ではないらしいが,明治後半と推定される。

京都市買収時は133輌(散水車を含め136輌)が,譲渡されたが,その後,路線の広軌拡張に伴い,108輛が廃止。その際,神戸市伊藤忠商事,熊本市菊地電鉄,名古屋市等へ売却されている。(これらの譲渡後の使途について

型式:広軌1型
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七条京阪にて

京都市営電車開通当時の車輛。

外観上は,単に狭軌1型を広軌に変えた程度の違いだが,広軌だけに当時は京電よりも車体がスマートと評判だったようだ。

昭和25年4月に全廃したが,昭和13年に大連都市交通へ10車輛,昭和13年に長崎電気軌道に5輛を譲渡している。(これらの譲渡後の使途について

型式:貴賓車
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今でも貴賓車は珍しいが,当時の市電にもあったところが驚きであろう。

外観上,従来の1型と比較すると,車体寸法は変わらないが,窓の数が5枚(普通車は9枚)となっていることで識別できる。

竣工当時は,座席数が8座席,車内インテリアの材質はチーク材,床張りは日本松,上張りにはチーク材・けやき板などを使用し,欄間は模様入りガラスをはめこんだという。

普通車改造後は,ロングシート化,つり革等を設置した。

写真は,普通車に改造後の貴賓車1号。車番は170号車に変更となっている。

型式:貨車
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京都駅前にて(昭和31年頃)

大正14年に業務用の資材運搬用に導入。合計8両が在籍していた。

路線拡張が終わってからは,老朽化のため順次廃止され,残った2輛は時々花電車として活躍したが,昭和48年に全廃した。

左写真は,花電車として使用されていた時のスナップ。

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