廃線跡探訪 番外編 |
京都の町を何気なく歩いていても,こういうものに興味を示す人は,まずいないでしょう。 架線柱,つまり市電の電気を取る電線(以下,架線といいます)を支える柱です。 市電が廃止されると,当然線路も敷石も停留所も架線も全て撤去されますが,架線を支えている架線柱は意外と多く残されています。 しかも,よく見ると,その形も様々な形状があることに気付きます。 |
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架線柱基礎知識 | ||||||||||||
電車へ電気を送るために上部に張られる電線のことを「架線(かせん)」と呼んでいます。正式には「架空電車線方式」といいます。 電車は,パンタグラフやビューゲルなどの集電装置を用いて,架線から電気をもらってモーターを動かし走行します。 その架線を張るために,線路の脇に建てられるのが架線柱です。 色々なタイプがありますが,京都市電の場合,頂部の装飾等により,大きく下記のタイプに種別できます。 |
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@擬宝珠(ぎぼし)タイプ | AUFOタイプ | Bベレー帽タイプ | C矩形タイプ | |||||||||
上記のネーミングは,私の独断と偏見によるネーミングです(笑) 専門的にどう命名されているのか知りませんし,そもそも命名されているのかどうかすら知りませんが,先にネーミングしたもん勝ちです(笑) @「擬宝珠タイプ」は,「ネギ坊主」でも良かったのですが,尖頭が特徴的なので「擬宝珠」と私は呼んでいます。 A「UFOタイプ」も,「鏡餅型」でも良いし「アダムスキー型」でも良いのですが(笑),私は「UFO」と呼んでいます。 B「ベレー帽タイプ」は,「鍋の蓋」でも良いのですが,ちょっと安っぽいネーミングなので「ベレー帽」と名付けています(笑) 実際には,Cの矩形型も合わせて4種類しかなかったのかというと,そうでもありません。 北野線のように丸太(木製)で作られている架線柱もありましたし,四条線等ではセンターポール(中央架線柱)方式も採用されていました。(下記写真A参照) センターポールは,交通量の増加とともに淘汰され,昭和30年代には消滅したようです。 明治時代からのものを入れるともっとたくさんの種類があったかもしれませんが,今現存している市電の架線柱は4種類,と考えられます。 他都市で残されている架線柱跡にも同様のものがあります。 センターポール方式は,一時期多くの都市で全滅しましたが,最近は路面電車の見直しから復活している路線もあります。 その他に現存している架線柱では,大阪市電等では頂部が切断されているものが多く残っています。 そうなると,普通の電柱と架線柱の見分け方が難しくなるのですが,基本的な見分け方は,上部と下部を見ればだいたいわかります。 上部は,上述したように頂部の装飾(タイプ@〜B)で判断できます。 もう一つは,多くの残されている架線柱は鉄製でできています。(現在の鉄道架線柱のほとんどはコンクリート製です) 鉄製架線柱の場合,その下部は,ちょうど基礎の部分が張り出したように大きく作られているのが特徴です。(下記写真B参照) だいたい,この2つで判断できると思います。 もう一つの特徴として,本体(胴体)の形状があります。 普通,電柱は完全な円柱ではなく,下部になるほど直径が大きく,上部になるほど直径は小さくなります。 つまり長細い円錐台のような形です。 そこで,上部の直径を小さくするために,途中で絞りを入れたりしています(下記写真C参照)。 しかし,他にも直径の違う円環をリングで直結したタイプ(下記写真D参照),リベット止めしているタイプもあり,これもいくつかに分類できます。
それでは改めて・・・
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