稲荷線の廃線跡探訪

(稲荷駅終点)

勧進橋停留所  
東高瀬川  
京阪平面交差  
稲荷  
N  京阪との平面交差を渡ったらすぐ,稲荷駅の終点に到着します。
 左写真は,稲荷の停留所に進入する19系統です。
 ここは,当時から伏見稲荷大社への参拝客が毎日多く訪れるところでもありました。市電の停留所には珍しく公衆便所が設けられてありました。

[昭和45年3月]

 現在,この専用軌道跡は公園になっています。
 この軌道跡には,当時の交通局で敷地であった証拠としての境界標が現在も残っています。

 さらにこの公園は,2020年に改装されて綺麗に整備されました。公衆便所も綺麗に建てなおされ,今も健在です。ただ,以前は一面に敷石が敷き詰められていましたが,残念ながら半分程撤去されてしまいました。

[令和2年4月]

N  稲荷の停留所です。一番上の写真から回れ右をして撮った風景になります。当時から賑わっている様子が伺えます。
 この停留所は,実は川(疏水)の上に架けられた疏水橋(稲荷橋)の上に停留所がありました。
 停留所の向こう側は,国鉄奈良線(現JR奈良線)で,当時はまだ蒸気機関車が走っていたと思います。

[昭和45年3月]

 現在の稲荷停留所跡です。
 2020年1月に疏水橋の改修工事が行われ,橋上の停留所跡のエリアが綺麗に整備されました。
 プラットフォーム跡のコンクリートはそのまま残され,線路のあった部分はプラットフォームの高さと同じになり,バリアフリー化されました。安全柵は朱色に塗られ,これを目安にすると当時の写真と比較しやすいと思います。
 JR奈良線は現在では電化されています。

[令和2年4月]

 実は,この橋梁の修繕工事の際,コンクリートを斫った下から当時の線路が現れ,話題になりました。
 以前から,このコンクリートの端っこに2〜3cm程度レールが姿を見せていたので,この下に線路が埋まったままであることは知られていましたが,今回コンクリートを斫ることで,きちんと二本の線路が1mほど姿を見せたのです。

 「ひょっとしてこの線路は撤去されるかもしれない」
 「この線路を何とか残せないだろうか?」
 そういう不安もあり,市に相談に行くと,地元の方々からも「残してほしい」との依頼があったそうで,市もわかる形で残していただけることになりました。
 今はこの線路の横にスロープが設置され,2本あった線路の北側の線路が埋め戻されましたが,南側の線路はポールで囲いを作っていただき,当時の線路を分かる形で残していただけることになりました。プラットフォームもそのまま残しています。

 せっかく市の方で囲いを作っていただいたので,ここを訪れた方々に分かるように説明板をつけることになりました。
 もし,この場所に来ることがあれば,是非訪れてみてください。
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