北野線の廃線跡探訪

(堀川中立売)

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N  昭和35年ごろです。
 堀川の東側を京都駅方面から走ってきた電車は,この中立売橋を渡り,中立売通りへ入ります。
 開通当時は,ここに転車台があり,電車が方向転換して,この堀川を渡っていました。
 戦後まもなく,進駐軍の軍人を含めた満員の電車が,この橋から堀川へ転落するという大事故も起きましたが,いずれにせよ,風光明媚なこの中立売橋をN電が渡って行く風景は,北野線の見所だったようです。

[昭和35年頃]

 現在の中立売橋です。
 この付近の堀川は埋め立てられず,辛うじて残されています。
 その昔は友禅も行われたという堀川も,最近まで水が流れることのないコンクリート打ちされた名ばかりの川でした。
 しかし,最近「堀川水辺環境整備事業」により,堀川に清流を復活させるべく工事が行われ,昨年完成。清流が復活することになりました。

 さて,廃線跡としては,今では堀川を渡るガーター鉄橋は撤去され,手前には歩行者用の橋が設置されています。
 堀川の東側の軌道跡は,緑地に変わってしまいました。

 下記に詳しく見ていきましょう。

[平成22年3月]

 まず,中立売橋にアプローチする東側(左写真)のアプローチ部分は石垣と緑地で埋められ,その下のレンガ部分が,橋梁の跡であることがはっきりわかります。
 堀川の清流復活事業でも,ちゃんとこの赤レンガは(きっと意図的に)残してくれたのだと思われます。
 逆に西側(左写真)も,緑地になっていますが,その下のレンガ造りの段差が橋梁跡であることが,確認できます。

(京電の廃線跡はこちらを参照)

 清流復活後は,川の中に降りることができるようになりました。
 昔は,危ないから勝手に降りるな!って怒られたものですが…(笑)

 でも,こうやって遊歩道も整備され,橋の下をくぐったり,川の両側の石組みや赤レンガを見たり,また夏には裸足で遊んだりできるようになったのは,素晴らしいことだと思います。
 遊歩道には,左写真のような説明板も作られ,ちゃんと市電が通っていたということが,記載されていて嬉しい限りです。
 この中立売橋を渡った後,電車は中立売通りを西に向かって走ります。

[平成17年12月]

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